岩波講座日本歴史4(1962年) 北山茂夫ほか

「十−十二世紀の東アジアと日本」(旗田巍)。唐と新羅とは密接な関係があり、新羅は半島から唐を追いだした後も朝貢を続け、唐から求められれば苦境にあっても援兵を出した(蜀まで玄宗を訪ねて行ったことも)。一方で、日本は使いを送っても冊封は受けず、年号も独自のものを使っていた。渤海冊封は受けたが、年号は独自。唐の崩壊は新羅の崩壊と連動したが、日本や渤海の混乱と結びつけるのは早計だと。遼や金に対する高麗の姿勢は、元や清に対するものと同じだったのだろう。

宋代中国を旅する 伊原弘

宋代中国を旅する (気球の本)

宋代中国を旅する (気球の本)

中国の運河の「堰」や「閘」など。日本人旅行者の記録が、外国人であるだけにかえって当時の社会の状況を克明に描く。