2004-08-01から1ヶ月間の記事一覧

桜田門外十万坪 渡辺房男

表題作は思いつきはよいがそれだけ、という感じ。人物も描けていない。自殺した男は後の作品にも出てくるが、やはり第一作よりはよくなっている。「指」はまさに思いつきだけ。桜田門外十万坪作者: 渡辺房男出版社/メーカー: 新人物往来社発売日: 1999/09メ…

太陽と毒ぐも 角田光代

すでに成立しているカップルが、日常のいわば些細な食い違いから破綻に至っていく過程が非常にリアルで身に浸みていく。太陽と毒ぐも作者: 角田光代出版社/メーカー: マガジンハウス発売日: 2004/05/20メディア: 単行本 クリック: 17回この商品を含むブログ …

黄金旅風 飯嶋和一

今ひとつ迫力がない。テンポが悪い。登場人物が多すぎで視点が割れ、焦点がぼけている。主に二人の主人公、時代を体現した者とそれに寄り添い夢を賭ける者、といった飯嶋作品からすると、平左衛門ともう一人、というのが。才助が早く死にすぎたか。鋳物師・…

空中ブランコ 奥田英朗

表題作は人との信頼関係、最終話は、仕事とは、改めて考えさせられる。ユーモアセンスは変わらないが前作より深みがある。前作もそうだが、さまざまな職業のディテールが描かれているのも魅力か。空中ブランコ作者: 奥田英朗出版社/メーカー: 文藝春秋発売日…

イン・ザ・プール 奥田英朗

「コンパニオン」の女性心理が読ませる。「フレンズ」の一方通行の高校生は切ない。ただ、携帯があることで見ないで済ませられる部分があることは幸せかもしれない。趣旨はそれはまやかしだ、というところにあるのだろうけど。イン・ザ・プール作者: 奥田英…

双調平家物語5 橋本治

双調平家物語〈5〉父子の巻・保元の巻作者: 橋本治出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 1999/10メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見る奈良から平安。「王を奴にも奴を王にも」から道鏡の即位を望む女帝。女たちの争いだった奈良から平安初期…

双調平家物語4 橋本治

双調平家物語〈4〉栄花の巻(3)作者: 橋本治出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 1999/06メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る奈良時代。誇り高い聖武天皇と、その「矜り」を揺るがす仏のそばにいたくないからの皮肉な彷徨。

双調平家物語3 橋本治

双調平家物語 (3) 栄花の巻2作者: 橋本治出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 1999/03メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (4件) を見る壬申の乱、生母の卑しさから臣下に徹した高市皇子。天智天皇の子として即位するという、持統天皇とそ…

双調平家物語2 橋本治

双調平家物語〈2〉栄花の巻(1)承前作者: 橋本治出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1999/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (8件) を見る大化の改新の黒幕が実は孝徳天皇であった、という見方、理は皆がついてきて初めて理となる、ついてきて利がなけ…

双調平家物語1 橋本治

双調平家物語〈1〉序の巻 栄花の巻(1)作者: 橋本治出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1998/10メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログ (12件) を見る天子と婚を通じ操ろうという藤原氏が中国と比べてかなり異質であること、自分たち…

ポル・ポト<革命>史 山田寛

ポル・ポト〈革命〉史―虐殺と破壊の四年間 (講談社選書メチエ 305)作者: 山田寛出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/07/10メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 1人 クリック: 28回この商品を含むブログ (25件) を見るポル・ポトがどうやって政権を奪った…

壬生義士伝 浅田次郎

壬生義士伝〈上〉作者: 浅田次郎出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2000/04メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブログ (29件) を見る壬生義士伝〈下〉作者: 浅田次郎出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2000/04メディア: 単行本 クリック:…

亡国のイージス 福井晴敏

亡国のイージス作者: 福井晴敏出版社/メーカー: 講談社発売日: 1999/08/25メディア: 単行本 クリック: 50回この商品を含むブログ (90件) を見る如月が北のスパイか、防衛庁のスパイか、はともかく溝口がヨンファ、というのは、意表をついている。「覚悟」の…