他人の失敗は、自分のためにしてくれたもの

前のシフトの責任者の課長が、定番商品の発注をしていなかったことが顧客からのクレームで判明。聞いてみると、サポート役が、「この日は発注しないでいい」と自信たっぷりに進言したので、いったん用意までした伝票をわざわざ破棄したとのこと。部長に報告。その過程で自分も発注サイクルを十分把握していなかったことが、ばれてしまった。つまり、自分が失敗した課長のシフトだったら、同じ失敗をしてしまったのだろう。

火の闇 北重人

火の闇 飴売り三左事件帖

火の闇 飴売り三左事件帖

殺された女の霊が手助けしてしまう掟破りの話(「観音のお辰」「唐辛子売り宗次」)が続き、いささか鼻白む思いがしたが、田沼時代の農村の疲弊を背景にした「鳥笛の了五」は、義に篤い大百姓と藩政の派閥争いとを飴売りにたくみに織り込んで秀逸。「佛のお円」はラストが、また、である。著者の死期が迫っていたことがこうした傾向になったのだろうか。池上冬樹大沢在昌の追悼文が付いている。