白の鳥と黒の鳥 いしいしんじ

白の鳥と黒の鳥

白の鳥と黒の鳥

掌編集。入っていくのがなかなか難しい。割り切って楽しめばいいのだろうが。最後から2番目「透明に関する四つの小話」が一番よいように思ったのも(最後の「太った人ばかりが住んでいる村」も)世界に馴染んできたから、というのがあるのかも。「赤と青の双子」や「すげ替えられた顔色」「白黒の鳥の声」などはそこはかとなく滲み出てくるような不気味さがいい。ちょっと表現が適切でないかもしれないが、わかりやす過ぎるきらいはあるが、「カラタチとブルーベル」「紫の化粧」「ボーリングピンの立つ所」などもいい。