信長の戦争 藤本正行

信長の戦争 『信長公記』に見る戦国軍事学 (講談社学術文庫)

信長の戦争 『信長公記』に見る戦国軍事学 (講談社学術文庫)

信長公記を素直に読んで導き出される一般的なイメージを突き崩す。何よりも、歴史家の陥り易い通弊として、勝者は勝つべくして勝ち、敗者は打つ手ことごとくまずくて敗れるべくして敗れる、としてしまうこと。桶狭間は、大高城の後詰に来た今川義元に対し、奇襲ではなく強襲で打ち破ったこと、それも義元が天下取りでなく国境紛争のつもりで出てきて、ある程度の痛みを与えて引き揚げさせればよいので、はじめから義元の首を狙ってはいなかった、という。ミッドウェーとの類似性の指摘は興味深かった。