戦争請負会社 P・W・シンガー

戦争請負会社

戦争請負会社

戦争請負会社は、旧来型イメージの傭兵と大きく異なり、本国の軍隊高官と密接なコネクションを有し、「軍事の民営化」の風潮のなか、本国で出来ない介入(名分上や犠牲の面で)を果たす。その実態を「軍事役務提供企業」=エグゼクティブ・アウトカムズ、「軍事コンサルタント企業」=MPRI、「軍事支援企業」=BRSとに分類して紹介している。決して一方的に断罪しているわけではない。シェラレオネやバルカンなど、こうした企業の介入でことが解決している。危急の場に立たされた国家や団体にとって、非難される筋合いではない。つまり、完全に排除することが不可能であり現実的でないという点を踏まえて、それでも当然予想され実際に生じた問題点(国益よりも利益を優先したり、途中で放棄したり、責任の所在が不明だったり、また社員の行動が軍の行動と理解され復讐される等)を避けるためにも、これら企業の実態を十分に研究しておく必要がある、というわけだ。