平将門の乱 福田豊彦

平将門の乱 (岩波新書)

平将門の乱 (岩波新書)

▽「関東の鉄と馬」では、将門の根拠地周辺は、鬼怒川・小貝川と飯沼など川と沼沢に囲まれ、一部に土塁など造れば簡単に「牧」となったとし、将門を農園主というよりも牧司ととらえる。周辺の製鉄遺跡とあわせて、従類・伴類の伴類を支配した。この▽「『つわもの』とその従者たち」では、古代の歩兵集団戦の形態が残っていること、伴類とみられる小春丸への約束された褒美が布などの現物給与で、焦土作戦が行われることからも、土地が恩賞の対象となっていない。▽「東西の兵乱」では、政府の叛乱への対応は、群党への呼びかけなど適切で迅速だったと評価している。