二人乗り 平田俊子

二人乗り

二人乗り

3編の連作集。「嵐子さんの庭」から「エジソン灯台」まで自然につながる。作品としては表題作の「二人乗り」がいいが、通した裏メッセージとしては卵料理か。愁太郎へのカルボナーラ、葵へのオムライス、そして道彦、というより栄二の卵かけご飯。ふとしたことで航路をはずしてしまいかねない人生、そして最終作で、普通列車と高速バスを乗り継いで辿りつく先が灯台、というのは、出来過ぎかなあ。