本当はちがうんだ日記 穂村弘

本当はちがうんだ日記

本当はちがうんだ日記

冒頭「エスプレッソ」が作品全てを言い尽くしている傑作。そうだよなあ、そういう感じってあるよなあ、と、しみじみ読む。「私」が気弱ながら実はかなり自分勝手でひそかに傲慢(ただ気弱なので周りには気付かれない)、それでいて傷つき易いという始末に負えなさ。「リセットマン」など(こわい順番のトップは、子どもを持つ、だ)、本領?発揮と言えよう。ラストの決意が、なかなか。『誇大自己症候群』からの脱皮し、成熟が始まるのか。