南北朝の動乱 村井章介・編
- 作者: 村井章介
- 出版社/メーカー: 吉川弘文館
- 発売日: 2003/03
- メディア: 単行本
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▽Ⅰバサラと寄合の文化 疫病を追い払うためにいような姿態と異形の面を着ける、穢を清める人々は、「過差」にとらわれない、というかつての古代から中世にかけての意識が、鎌倉後半から変化する。穢の除去は狭義の非人である乞食やらい者の職能となり、祭礼で華美な装束をつける意義も低下し、反社会的な行為=バサラ=金剛石=全てを砕く=秩序を打ち破る、という連想となった。
▽Ⅱ悪党と宮たち かつて武士の領地は「職」の形で、全国に分散していた。惣領は根本所領にいて庶子を遠隔地に分住させて経営にあたる、ということで惣領制は対応していた。それが南北朝期になると庶子が分離独立、一族挙げての移住など一定の地域で支配を強化し土地に密着するようになる。列島全体の動きが止まり、動く部分が少なくなると、動く民に依拠してきた南朝の基盤も狭まった。