2006-01-15 陽炎の旗 北方謙三 読んだ本 陽炎の旗 (新潮文庫)作者: 北方謙三出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1995/08/30メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (10件) を見る足利直冬の息・頼冬を主人公に、『武王の門』の続編という体裁で、懐良親王の理想は結局九州独立国というより、息・月王丸による交易主体、そのための南北朝合一、と描かれている。足利義満の野望の前提として、帝を何人も立てて権威を失墜させるという策略として管領・斯波義将を置き、逆手にとって頼冬を将軍候補として匂わせる、という駒としても描かれる。最後の、『武王の門』のようなきれいごとでない、いわゆる「倭寇」としての竜王丸は、やや興ざめだが。