アラバマ物語

観る前に想像していたほど告発調ではなく、子どもの目から見た一夏の物語、という感じ。もちろん法廷シーンの迫力は十分で、ラストの保安官の台詞で示されるように「被害者」の父親が十分嫌われているにもかかわらず、「被害者」側の主張が全く薄弱にもかかわらず、それでも有罪になってしまうところが、根深い。このケースでは判事は理解者だから、陪審制でなければ無罪だったか。一番の見せ場は、被告を奪いに来る白人たち(プア・ホワイトだ)を、純真な娘の応対から引き返していくところ。この子にはまっすぐ育ってほしい、という気になる(純真すぎて周りを傷つけることもあるけど)。