新参教師 熊谷達也

新参教師

新参教師

保険会社の管理職から中学教師にという設定(相当作者の実体験が反映されているのでは?)で、本人の周りで起きるいくつかのちょっとした事件と学校の非常識、本人の被害妄想的な推測とあっけない真相、という形でエピソードが進む。最後の真犯人は、嘆願問題での伏線などでルール違反とは感じさせない。作者の腕だろう。ただ、小野寺の忠告通りというか、同僚教師の話がほとんどで生徒との関わりがあまり出てこないのは気になった。生徒がらみはあまりにも手垢がつきすぎているからか。大久保のゆとり教育論は最近の「下流社会」論にも通じるもの。続編があるのかなあ。ミステリおたくの探偵もどき弁護士は惜しいキャラと思うけどあまりに非現実的なのかな。