首相支配 竹中治堅

首相支配-日本政治の変貌 (中公新書)

首相支配-日本政治の変貌 (中公新書)

小選挙区制が派閥による候補者擁立を困難にし、省庁再編が大蔵省の権力を分散化させ、一方で派閥の力の低下と自民党単独過半数割れに伴う参議院の力の増大という現象は生じているが、国民投票衆議院の解散、という手段により首相の統制が図られている。確かにヤミ将軍とか二重権力とかよりは、ずっとすっきりしているし、派閥抗争による擬似政権交代から、本格的な政党同士の対抗となっていくのだろう。そう単純にわかりやすい政治がストレートに好ましいと言い切っていいのか、なんとなく若干の躊躇はあるが。「再考の府」である参議院に再考を許さず衆議院の解散に打って出るという手法を見ると。