前半はペリー来航から攘夷実行・四国
連合艦隊による報復までのいきさつを、後半はそうして四国に持ち去られた長州砲を、フランス・イギリス・
アメリカ・オランダと訪ねて回った旅。漢字が書かれていることから中国砲と誤認しているフランス(別の砲を「貸与」してくれたが)、転がしているだけのイギリス、そして日本人が一方的に友好的となんとなく感じているオランダの根強い
反日感情。嫌な思いをしたその博物館に、あえて癸亥丸の六分儀を寄贈するところが、著者の持ち去られた長州砲に対する深い思いが伝わってきた気がした。