銀色の翼 佐川光晴

銀色の翼

銀色の翼

▽表題作。恵まれていた人生が一転、思いもよらない病気と後遺症とともに生きることになり、伴侶の病気を早期に見つけたのもつかの間、精神に異常を来す。「わたし」の緊張型頭痛のもとである石の絵が、偏頭痛の前兆である「銀色の翼」にそっくりでそれを見ていたいという妻。こんな形でも夫婦の寄り添いというのだろうか。ラストが、感動的ではあるが、いかにも小説っぽいというか、作りもの臭い。▽「青いけむり」。これは。赤裸々というか、ありふれているというか(片足をなくしているから、そうでもないか)。よくわからない。