大きな熊が来る前に、おやすみ。 島本理生

大きな熊が来る前に、おやすみ。

大きな熊が来る前に、おやすみ。

辛い思いをしたのであろうヒロインたちが、なぜか現実感がない。読んでるときは、それなりに迫ってくるものはあるのだが。だから「クロコダイルの午睡」の、さほど悲劇的ではない(と言っていいのかな)経歴のヒロインの、なんともやりきれない結末が一番しっくりきた。それはこちらが動物を嫌いだからなのだろうか。動物や赤んぼう好きにはたまらない短編集なのだろうか。