Gボーイズ冬戦争 石田衣良

「詐欺師のヴィーナス」は、クーリングオフを使って見事に返り討ちにした手法が久々に爽快。画廊商法は、ここまで典型的ではないのだろうが、ある程度似たようなことがそこそこ行われているのだろう。自分も友人がマーティロ・マティニアンの版画を買いに行った友人について行って、ずっとつきまとわれ、少し褒めるとそこに食い下がられて、あきらめさせるまで小一時間かかった体験がある。そしてやはり友人はローンを組まされたのであった。彼は2枚目を自分からほしいと言って出かけて行き選んだのだから、別に詐欺でも何でもないが。「バーン・ダウン・ザ・ハウス」は本当に安っぽいお涙ちょうだいだが、こういうのに実は弱い。表題作は、復讐のもとになった物語を実はまったく覚えていない。いつのやつだろう。