ノルゲ 佐伯一麦

ノルゲ Norge

ノルゲ Norge

酒とか、料理とかなかなか魅力的だ。とりあえず、欝病状態で妻の留学に付き添ってノルウェーにいる、という状態で佐伯一麦は不幸であり、群発性頭痛という苦痛が襲ってくる。不幸な佐伯ファンとしては少々、というかかなり物足りないが。しびれるような、次から次へと不幸に見舞われる主人公を読みたいのだが。本当に勝手な読者である。しかしそれは私小説家である以上、仕方ないだろう。「そんな家庭の事情を小説にするおれの方が常識知らずだったのだろう」。