清佑、ただいま在庄 岩井三四二

清佑、ただいま在庄

清佑、ただいま在庄

またまたやられた、という感じだ。高野聖や地頭の介入などのあたりなどは「政基公旅引付」あたりもタネ本だろうし。なかなかいい。「鹿の首」などは、村人の本音が出ていて、しょせん支配者と被支配者、身内とよそ者、という中世の共同体をよくうかがわせる話だ。これがあってとても締まった短編集となっている。続編を期待したい。