純愛小説 篠田節子

純愛小説

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ハーブ類が通底する短編集。さらに貫いているのは、プライド。表題作は、浮気が止んだ原因。「鞍馬」は妹に対して。「知恵熱」は、これは少し違うか。「蜂蜜色の女神」は、容姿も年齢も大きく劣る女に没入し心中にまで至る男の描写に媚薬の存在を確信させるがそうでもないのだろうか。「いささかの粉飾もない女の無防備さ」と書かれても、読んでいて得心できないのだが。