この世の全部を敵に回して 白石一文

この世の全部を敵に回して

この世の全部を敵に回して

友人の手記、という体裁をとっているが、実際はエッセー、ととるべきだろう。死を恐れる者にとっての希望が不死であり、不死となったものの希望が死であれば、とりあえずの延命はこいねがうくせに、永遠に生き続けることはまったく望んでいないとすれば。最も戒めるべき、が出てくる。死をことさらに恐れさせる人間に警戒せよ。ことに死の恐怖を乗り越えるためには「愛」が必要だと説く者たちに。ということか。