がん緩和ケア最前線 坂井かをり

がん緩和ケア最前線 (岩波新書)

がん緩和ケア最前線 (岩波新書)

がん治療と緩和ケアの関係は「斜め線」という考え方は、不勉強ながら初めて知った。がん治療で打つ手がなくなった終末期になって緩和ケアに移行する、という一般に広がっている考え方は誤りなのだ。痛みを取る、ということは治療の早い段階から行われるべきだし、治療してもらえない、という思いから緩和ケアを拒むことでいたずらに苦しんでしまう。癌研有明病院の取り組みはとてもすばらしいが、がんが国民病であることを考えれば、もっと緩和ケアに対する正しい知識が広がってほしい。