未見坂 堀江敏幸

未見坂

未見坂

「なつめ球」というのか。さまざまな物語の背景にあるさまざまな事件について、詳細がわからないまま流れていくのが、もどかしさを感じる一方で、本当にその街で暮らしていてそれぞれ他人の人生について、深いところではわからないという前提でつきあっているような、そんな樹にもさせる連作集。「雪沼とその周辺』の、まあ続編であろう。