三月の招待状 角田文代

三月の招待状

三月の招待状

学生時代の仲間というのは、どのくらいひきずるものだろうか。登場人物たちは、何年も別れていても、ずっと意識しているようだ。若くして文学賞候補になったかつての輝ける才能を。そして当人は意識してかせずか、他人の懐を当てにしてへらへらと生きていく男になっている。そんなものと関係を持つのは、かつての時間への懐古か、それともある意味での復讐か。難しく言えばそんなところか。