秋月記 葉室麟

秋月記

秋月記

清冽、という読後感。臆病で犬に吠えつかれた妹を見捨て、その妹が熱を出して種痘を受けられず、疱瘡で死んだことを心に留め、強く生きることを誓った男。あえて悪名を帯びることを厭わなかった生き方と、それを支えた友情と、その後の亀裂。覚悟、という言葉の重みを感じた。