戊辰戦争 保谷徹

戊辰戦争 (戦争の日本史 18)

戊辰戦争 (戦争の日本史 18)

▽射程の長いライフルの登場は散兵戦術の採用につながり、火縄銃・槍・弓矢が併用され騎馬武者の突撃で勝敗を決する密集隊形とは全く異なる。それは統一した軍制のために諸大名から軍事編制権をとりあげることにつながり、絶対主義的な明治政府の確立となった。▽幕府歩兵もそうだが、荷役など一般民衆が相当借り出される。そして戦場となった村は焼かれ、捕虜となると兵士も民間人も関わりなく、虐殺されたようだ。敵の首を取る、敵に奪われることを恐れて味方の遺体から首を取る、敗れた軍隊は農民の落ち武者狩りにさらされる、戦国の遺風がよみがえった、近代と近世の二つの戦争の要素が混ざり合っていた。