武士道エイティーン 誉田哲也

武士道エイティーン

武士道エイティーン

読むのを楽しみにしていたシリーズの、多分、最終作。テーマである香織と早苗の対決に向かう流れの中に、早苗の姉・緑子、香織の師・桐谷、福岡南の顧問・吉野、香織の後輩・美緒といったサブキャラクターの、胸に詰まるような「泣かせる」話を散りばめている。とくに桐谷の話は、凄いの一語に尽きる。そして吉野の救済につながっている。こういった人物群を造型できるというのは、本当にすばらしいと感じた。