陸奥甲冑記 澤田ふじ子

陸奥甲冑記 (中公文庫)

陸奥甲冑記 (中公文庫)

「日高見国」が、いったんは勝利しながら、内部分裂によって崩壊していくさまが、一方的な被征服者側の視点でなく、さもありなんという感じで興味深い。そこに「北風と太陽」ではないが、田村麻呂の政策が加わり、征夷はなったのだ。耳無の転変極まりない境遇はややご都合主義の展開にも感じられたが。