古代史から解く伴大納言絵巻の謎 倉西裕子

古代史から解く伴大納言絵巻の謎

古代史から解く伴大納言絵巻の謎

大伴氏=日・天武天皇橘氏蘇我氏・火・新羅であり、嵯峨源氏は、月・天智天皇藤原氏・水・百済なのだと。新羅との関係が緊迫している中、親新羅派の伴善男を追い落とすことに火災は使われた。それは、弟の良相の権勢・嵯峨源氏の伸長・清和天皇の親政という三つの不安を抱いていた良房に利用された、と説く。そして絵巻を作成した後白河院源信で、清盛が善男であるために、絵巻には表れないのだそうだ、似せ絵の時代だからばれるから。随所で振り回される「キーワード」が、ご都合主義というか牽強付会というか、そんな印象で、正直、ややうんざり。具体的に伴善男が親新羅政策をとっていたことがあったのかしらん。