すばらしき愚民社会 小谷野敦

すばらしき愚民社会 (新潮文庫)

すばらしき愚民社会 (新潮文庫)

近代文学者が江戸時代の文化に全く興味・関心を持たないタコつぼ型状況を強く批判し、「愚民」とは、主として大学人や評論家などに向けられる。もちろん、大学生がバカになったのではなくバカが大学に行くようになっただけでなくバカが意見を言うようになった、と痛烈だし、司馬遼太郎が売れていることが大衆化の証しだったということに隔世の感を抱かせてくれる。ブックガイドとしても魅力的だ。