帝都東京・隠された地下網の秘密 秋庭俊

帝都東京・隠された地下網の秘密 (新潮文庫)

新しい地下鉄の壁や駅舎がとても古く見える。新しい地下鉄の方が既にある地下鉄よりも上を走っている。地図におかしな点がある。こんなところから著者は戦後政府が国民を欺き続けてきた東京の地下の実態を明らかにしていく。東京の地下には、戦前、後藤新平の都市計画や第一次世界大戦の戦訓で掘り進められ、太平洋戦争で急ピッチに進められた政府や軍部・宮中専用の地下鉄や地下道路が走っていた。それはＧＨＱが接収した地点にも関係し、彼らはそれらを利用して高速で移動した。現在の地下鉄や首都高などは、かつての地下トンネルの戦後処理であり、それが秘密にされたことで負の遺産が莫大な利権となった。