犬として育てられた少年 ブルース・D・ペリー マイア・サラヴィッツ

犬として育てられた少年 子どもの脳とトラウマ

犬として育てられた少年 子どもの脳とトラウマ

乳幼児へのネグレクトということが、どれほど虐待として深刻なものか、ようやく理解できた気がする。乳幼児期のトラウマが恐ろしいのは、脳がいびつな成長をしてしまう恐れがあることだという。記憶になくてもずっと後まで影響は残り、回復させるためのプログラムは複雑だ。不意に襲ってくる刺激はその後の刺激に過敏になる「感作」という状態を作り出し、長い間ある経験を繰り返すと反応が小さくなる「耐性」とがある。また脳には他人の行動に同調する「ミラー」ニューロンがある。赤ちゃんの子育てを通じ、スキンシップに伴う喜びを親子ともに感じる。その接触がなければ、いくら栄養をとってもホルモンが分泌されず、成長しない。