伊藤博文 瀧井一博

伊藤博文―知の政治家 (中公新書)

伊藤博文―知の政治家 (中公新書)

帝室制度調査局総裁と韓国統監とを兼ねた伊藤は、韓国を憲法政治実践の場と位置付けた。すなわち、公式令で総理大臣の副署を必要とすることで軍部を統制しようとし、結局「軍令」を認めることで山県とは妥協したのだが(この中身についても伊藤之雄とは微妙に評価が違い、筆者の場合、より踏み込んだ、山県側がなんとか確保したような妥協ととらえているようだ)、朝鮮駐劄軍への指揮権を得るなどに表れていると。