三屋清左衛門残日録 藤沢周平

三屋清左衛門残日録 (文春文庫)

三屋清左衛門残日録 (文春文庫)

藤沢周平は、きっと嵌まると思って敬遠していたのだが、やはり。元用人の隠居という立場から、公私あいまいに持ちこまれ巻き込まれる様々な事件に、家督を継いだ嫡男夫婦に気を使いながら、同年輩の現役町奉行との比較、零落し家禄を減らして隠居したかつての友人たちとの交流を描いていく。年を取る、引退するということはこういうことだ、と思わせる。