夜明けの橋 北重人

夜明けの橋

夜明けの橋

惜しまれつつ先年亡くなった著者の短編集。時代は江戸初期。街がつくられていく、そんな時代だ。なんだか問題意識が先日読んだ黒田日出男の『江戸図屏風の謎を解く』に通じていて、少しうれしい。建築学科卒のコンサルタントという経歴から力を入れて書いたであろう「日本橋」は、実はあまりピンとこなかった。著者の郷里・山形在住の文芸評論家・池上冬樹の解説が、ハードカバーにしては珍しく、付く。