ほかならぬ人へ 白石一文

ほかならぬ人へ

ほかならぬ人へ

文章は平明。はっきり言って、期待は十分満たされたとは言えない。期待が過大だったか。名家出身の「普通」の男が主人公と言うだけで共感しにくいし、登場人物が、キャラクターがわかりやす過ぎる。「かけがいのない人へ」の方がまだ「沁みた」が、同様の印象もあり、なにより、主人公の行動は最後まで酷すぎるような。共通するのは、本当に自分に合った相手を探す、ということなのだが。うーん、という感じだ。スポーツ用品や電池などの業界や社内抗争などのディテールはしっかりしている。