卵をめぐる祖父の戦争 デイヴィッド・ベニオフ

卵をめぐる祖父の戦争 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1838)

卵をめぐる祖父の戦争 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ 1838)

包囲され飢餓に迫られつつあるレニングラードでのバカげた命令。自分の小説を大家の作品と偽って語り続ける相棒。人肉食いの夫婦・鶏を守り続けた少年・ドイツ将校の慰み者の女たち・パルチザン・ドイツ軍の卑劣な罠にはまって殺されたロシア人たち。直前での狙撃と小役人的な対応。そこまでして持ち帰ったものが、命令(それ自体ばかばかしいものだった)当時よりも価値がなかった。ラストは救われるけど。傑作。