火はわが胸中にあり 澤地久枝

近衛砲兵が待遇の不満から暴動を起こす。西南戦争直後に起きた竹橋事件を徹底取材した本。徴兵令施行から間もなく、不公平な人選で選ばれ、政府首脳が次々に暗殺や政変で追われ、戦争で地獄を見て待遇は悪化する。事件の背景にあった陸軍首脳の思惑とそれを超えた暴発。事件を利用して政治的に立ち回ろうとした幹部。自由民権運動にも通じる兵たちの思想。なかなか含蓄深い。再読必至だな。