大正社会と改造の潮流 季武嘉也・編

大正社会と改造の潮流 (日本の時代史)

大正社会と改造の潮流 (日本の時代史)

政友会潰しを求める元老と和解して組閣した大隈は同志会を巨大政党に仕立てあげて政党政治への道を立ち回って開いていったわけだ。▽「中朝国境と日本帝国主義」。間島問題と親日派団体「一進会」の関係。韓国政府にとって一進会は日本の勢力を背景に反政府的で手を焼いていたことなどなかなか簡単ではないようだ。▽「政党政治を支えたもの」。どうやって「国民」を議会に反映させるか。小選挙区や署名捺印などのもつ意味が、買収や権力者からの強制を防ぐというようにとらえられていたとは。▽「大正の家族と文化ナショナリズム」。欧米の圧力を受けて「家」制度が過大に伝統を体現するものとなった。▽「近代合理性の彼方をめざして」。肥田春充とは初めて知った。