水爆搭載機水没事件 ドウス昌代

水爆搭載機水没事件―トップ・ガンの死 (講談社文庫)

水爆搭載機水没事件―トップ・ガンの死 (講談社文庫)

北爆に参加した空母の艦載機が水爆搭載訓練で、海中に転落。ベトナム戦争アメリカは核使用を考えていた、ということなのだ。だからアメリカ政府と海軍は事態を隠蔽しようとし、若き優秀な好青年だったパイロットを追うことで、そのやりきれなさが浮き彫りにされる。北爆が北ベトナムにメンツを損なわずに和平のテーブルにつかせるためのもので、決定的なダメージを与える場所は避けるものだったこと、北ベトナムの米軍捕虜への扱いは過酷だったこと、ソ連へ米軍情報を流していたことなど、初めて知ったものも多かった。