常識人の作法 加藤秀俊

常識人の作法

常識人の作法

『独学のすすめ』や『暮らしの思想』などかつて熱中して読んだ著者だ。相変わらず痛快。そしてそれぞれの章がなんとなくつながっているように感じる。たとえば、「「つきあい」のゆくえ」における近所づきあいの大切さは、たとえば災害時、消防や自衛隊任せにせずまず近所で助け合うことに通じるし、それが欠けてくると、「科学と感性」のように桜の開花でも春一番でもなんでも気象庁を待って、となってしまう。そんな日本にどうしてなってしまったのか。いまの自分は現代の日本にとって異邦人か、というところから「「疎外」ということ」に通じる。ジョージ・マイクスの『外国人になる方法(How to be an Alien)』は、ぜひ原著で読んでみたいものだ。