田舎の紳士服店のモデルの妻

田舎の紳士服店のモデルの妻

田舎の紳士服店のモデルの妻

夫のうつ病を機に夫の故郷の北陸の田舎町に移り住む。社宅でなければ住めないような、住んでいるだけで成功者のような街を離れて。幼稚園の長男と生まれて間もない次男を連れて。そして学校になじめない子どもたち、田舎の交友関係との付き合い、俗人そのものの姑との付き合い、かつてあこがれたタレントとのひそかな交際、夫への静かなしかししっかりした不満。孤独なのだ。孤独だが強く、成長し、そして「卒業」していくのだ。これは純文学だな。女性のママ友・親族・夫への観察眼が鋭い。「かすり」であり「外れて」しまった自覚、厳しく感じられる。