消された一家 豊田正義

消された一家―北九州・連続監禁殺人事件

消された一家―北九州・連続監禁殺人事件

旧家の世間体を気にする体質に付けこんだ男。犯罪の片棒を担がせることで反抗を抑圧した後は、通電と序列づけによって巧みに統制し、従順・無気力に仕立てあげ、家族を一人ずつ殺させていく。被害者には、農協組織の役員や元警察官もいたのだ。似たような?相手を意のままに操る事件は鳥取の「毒婦」にも共通するが、DVというよりも(DVなのだが)、本書でも触れられているように、強制収容所でみられた人間心理操縦のすさまじさがあらわれた事件だ。