革新幻想の戦後史 竹内洋

革新幻想の戦後史

革新幻想の戦後史

憲法擁護や再軍備反対は、実は終戦直後よりもある程度経済成長が進んでから高くなった、すなわち、「保守」でありムードなのだ。共産党が権威だった時代は、『世界』の売り上げは落ち、武装闘争やその放棄などで共産党の権威が失墜すると、「岩波文化人」の権威が高まる。一流岩波文化人→二流岩波文化人(日教組講師団)→世界族、という位置付けは面白い。そして革新幻想のムードとして、石坂洋次郎の一連の小説を置いたのは、卓見だろう。