忍ぶ川 三浦哲郎

忍ぶ川 (新潮文庫)

忍ぶ川 (新潮文庫)

やはり自分の感性を疑ってしまう。西村賢太やかつての佐伯一麦のように今ひとつ迫ってくるのがないのは、あまりにも時代が遡っているからか、兄姉が自殺や失踪していく呪われた血、という悩みが、なんともしようがないからか。「団欒」や「驢馬」などは、かなりよかったとは思う。