ツナグ 辻村深月

ツナグ

ツナグ

家族からも同僚からも敬意を払われず楽しいことがない女性が、かつて助けられた(と信じている)亡くなったタレントに会おうとする「アイドルの心得」。周りのこと、家業を第一に振る舞ってしまう男が亡き母に会いに行く「長男の心得」。そしてどす黒い女子高校生の心理を描く「親友の心得」。逆に心やさしく誠実な男が突然姿を消した恋人に会おうとする、そして逃げ出そうとする「待ち人の心得」。「使者の心得」は、まあ、全体の説明として。「親友の心得」は、いかにも著者がこの手のテーマの手練れ、というかんじである。