帝都復興の時代 筒井清忠

帝都復興の時代 - 関東大震災以後 (中公選書)

帝都復興の時代 - 関東大震災以後 (中公選書)

後藤新平は政局的に動き、結局、復興院も自身の政治生命も弱めることになった。後藤神話により、そのことは十分語られないと。▽復興局は伏魔殿と化した。出身官庁の方を向き、調整が進まず、監督が十分でないところに利権ががっぽり、ということなのだ。復興庁も十分警戒すべきだろう。▽人心は弛緩し、退廃ムードが漂う。一方で、共同性や平等性など「非常時」を求める心理も。ファシズムを招来する土壌となったのかもしれない。