高度成長と企業社会 渡辺治・編

高度成長と企業社会 (日本の時代史)

高度成長と企業社会 (日本の時代史)

安保改定から竹下内閣崩壊あたりまでを扱う。この時期は、日本の政治・社会・経済の特徴が形づくられた時期だという。安保反対闘争には広範な民間労働者が結集したが、その後、企業社会に「統合」され、経済成長路線によって、「小国」主義をとる。福祉は、開発主義型で、経済成長の企業から労働者に間接的に手当として渡される形を取る。「開発主義型国家体制」への対抗運動としての革新自治体は、公害反対や市民運動なども取り込む形で続々誕生したが、国政への動きにはならず、オイルショック後の労働運動の退潮に歩調を合わせるように衰退していった。沖縄はアメリカ占領下、安保改定後は、本土の米軍基地縮小の肩代わりをさせられていた。安保反対運動に沖縄の視点はなく、復帰運動に安保の視点はなかったと。