ペリーとははたしてどんな人物だったのか、そう言えば、まったく知らない。それを教えてくれる本だ。英雄として若くして亡くなった兄への対抗意識、尊敬するナポレオンへの意識、功名心からなされた「日本遠征」だが、イギリスに対して、太平洋を横断することが中国への近道であり、そのために日本を開国させておく必要がある、
琉球や小笠原への対処もその延長線上で、明確な戦略があったこと、直接
江戸湾へ乗り込んだのは、オランダの関与を避けるため、そして相手の日本人に対して、中国や
琉球で感じなかった親近感をもってきたことなどが、つづられている。なるほど。
佐藤賢一にかかるとこうなるのだ。
